自分の中に、もう一人の自分がいると感じることがある。
今朝会社に向かっているとき、前日に発覚した問題の処理が億劫で仕方なかった。
まだ会社に着いてもないのに「早く帰りたいなあ」と思ったり、「このまま道をまーっすぐに歩いて行ったら面白いだろうな」と想像したり、それはもうやる気がなかった。
それでも迷うことなく体はずんずん歩いて、やがて道を曲がって、会社の入り口を抜ける。
それから階段を登って、少し上がった息を整えてからオフィスに入った。
そのころには、仕事に対する消極的な気持ちは排除されて、「やるべきこと」に向き合う心が出来上がっている。
ひとたび仕事が始まれば、頭と手がテキパキ動き出す。憂うつの種だった問題をさばこうと資料を取り出すと、「まず○○へ連絡を入れる。その返事次第で△△へ報告」と、対処方法が頭の中にスーッと降りてきた。
この考えは私のじゃない。
あまりにも唐突で、啓示のようだった。
経験に裏打ちされた突然のひらめきを「直観」と言う。(昔、国語の授業で教わった)
なにも難しい仕事ではないんだけど、順を追って考える前に降りてきた考えだから、そう呼んでもいいと思う。
心がどんなに駄々をこねようと、会社に向かう足取りは止まらないし、仕事の妨げになるネガティブな気持ちはいつのまにか一掃される。
習慣ってすごいな。
性(さが)と呼んだら物悲しいけど、毎日のことに脳は慣らされて、私をよく救ってくれる。