就職活動をしていた時代、いまの会社に提出した履歴書にこんなことを書いた。
《のんびりしていて、人に対し腹を立てない性格です。》
入社前の内定者懇親会で、この履歴書を見た先輩社員に言われたことが忘れられない。
「仕事したら、人に腹立てないなんて無理だよ〜(笑)」
仕事って怒りながらやるものなの?と驚いて、「いや、私怒らんし」と内心反発した。
働いてみて、納得した。
そして2つのことを思った。
(1)社会に出るまでよくできた人たちにばかり囲まれてきた。
私の言うことにいつでも耳を傾けてくれる両親。とてもウマが合って密に付き合いながらも礼儀を忘れない友達。
親以外は自分で付き合う人を選べるということは言えるけど、結果として私は人をそこまで恨めしく思うとか、腹を立てるとかしたことがなかった。
(2)“仕事で関わる”ことの特殊さ
仕事で関わると、人に嫌なイメージを持ちやすくなる。
これは、ある程度仕事に真剣になっていくと、つい自分本位に仕事をしてしまうから。
例えば、
○対応を急かされる → 思ってた順番で仕事ができずペースが狂う → 腹が立つ
○頭ごなしに怒られる → 言い分があっても非がある以上言い返すことはNG、という常識 → フラストレーションが溜まる
イライラや我慢などの負の感情が、特定の人のイメージと絡みやすい環境がそこにある。
(もっと社歴を積めば、感情を仕事へ持ち込まない術が身につくかな。)
会社に入るまで楽しく付き合ってきた周囲の人々も、もし仕事で関われば摩擦を起こしたかもしれない。
また、折り合いの悪い上司も、別の場所で知り合えば「ちょっと馴れ馴れしい、でも話しやすいおじさん」だったかもしれない。
履歴書を書いたとき、いろいろ悩みはあれど、そこまで辛抱試される経験はなかったんだと思う。自分が人並みに短気だと気づけて良かった…のかな。