暮らしの中で思うこと

絵中心のブログ。簡単なイラストや、たまに動物のスケッチを描いています。

ホームシック

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夜静かに床に就く。
半分寝かかったころ、どこか遠くから「ガラガラガラ…」と引戸を開け閉めする音が聞こえてくる。それで切なくなる。

私の住んでいるアパートの部屋には引戸があって、静かなときはお隣さんや階下の部屋から、この引戸をスライドさせる音が聞こえる。
(きっと私のも聞こえてるんだろう)
実家にも、玄関を上がったところに引戸がある。この音が似ているのだ。

二階にある自分の部屋で、私はふんわりした布団にくるまっている。階下でまだ起きている家族がその引戸を開け閉めしている。その音を、高校生までは毎日のように聞いていた。

年に数回の帰省のたびに、その音を耳にして「家の中に誰かいるっていいなあ」と、かつてはなんとも思わなかったことに満足する。

帰省の前後には実家のことをよく考えるせいか、この一人暮らしアパートで、就寝時に何度か騙される。
半分夢の中で、引戸の「ガラガラ…」を聞いて、実家にいるような感覚になる。
目を覚まして、現実に戻って「あ、そうそう、私一人暮らしでした」と思い直す。

帰省の前なら、じきに会いに行くのでそんなにこたえない。
帰省から戻って来てからだと、それはもう切ない。