いまの私の手のひらくらいのサイズだった。丸くてゴツゴツした、お醤油色のおせんべい。しっかり歯ごたえがあった。黒ごまがいっぱい入っていた。
成長期に、これをほんとうによく食べた。
夕飯を食べた直後でも、多い時で3枚くらいをボリボリ食べていた。
「よく食べるなあ〜(笑)」という両親の驚き呆れるのに気を良くして、調子に乗ってよけいに食べていた、ということもあると思う。
でも、確かに中学一年生の間に身長は約10cm伸びた。成長期で、異常にお腹が空いていたのは本当だった。
現在も似たような商品はあるけど、たいてい一枚ごとに個包装になっている。
あのころ私が食べていた商品は、一袋の中にみんな一緒に入れられていて、
輪ゴムで口を縛って保管していた。
もしこれが、ポテトチップスや焼き菓子だったら、両親は許さなかっただろう。
黒ごませんべいは、
・歯ごたえがある
・素材はお米
などの点から、私がばくばく食べてもいいものとして、家の中に常備されていた。
(冷静になって考えると、お醤油味だから、かなりの塩分を摂っていたような…。)
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小学生のころ、学校から帰ると毎日おやつを食べていた。
お台所の戸棚の一角に、お菓子ばかり入れてあるハコがあり、そこから食べるぶんだけお皿に出して、食卓へ持っていく。
たいてい何種類かのお菓子を食べていた。
(例:2枚入りムーンライトクッキー、かっぱえびせん一掴み、おにぎりせんべい1枚)
不健康そうなイメージからか、ポテチ系の袋菓子はほとんど置いていなかった。
(かっぱえびせんはあった。和っぽい雰囲気が入ると、なんかジャンクフード感が緩和される気がする。)
私も弟も、あれ食べたいこれ買って、というようなことは特に言わないで、家にあるものを喜んで食べていたと思う。
友達の家に遊びに行ったとき、出されるお菓子が珍しくて美味しかったけど、これはこれでまた別の話。