暮らしの中で思うこと

絵中心のブログ。簡単なイラストや、たまに動物のスケッチを描いています。

私の手のこと

f:id:shouwano:20150130234132g:plain

私の手はとても子供っぽい。
指はとりわけ太くはないけど決して細くはなく、手のひらに対してゆびが短め。爪は縦じゃなくて横の広がりが目立つ。
ネイルなんかが似合う手先じゃない。とくにいまの時期はカサカサだし。

でも、なんとなく自分の手が好きだ。
手は、自分が世界と関わる第一歩を担う。口に入れるより、匂いをかぐより、何よりまず手で触れる。掴めなくても、指先でチョン、と触って確かめたりする。(ナメクジは、つかめないけど指で突っつくのはできる)
また、手を眺めている時間は、自分の顔を眺める時間よりずっと長い。
緊張して下を向いて見つめる、膝の上に置かれた手。
会議中、眠気を覚まそうとして、手の甲の肉をつまんでやり過ごす。
絵を描いている間は、鉛筆や黒ボールペンを握った手が常に視界にある。
こうしてスマホで文章を書いている今も、右手親指がせわしなく動き回る。
自分の一部でありながら、その活躍ぶりからどこか独立したもののような感じがする。一番身近な相棒であり、自分の個性。

子どものときは、手をコンプレックスに思っていた。

ほっそりしてないってだけで、べつに普通の手なんだけど、なぜか人目に触れないよう隠したくなるような思いでいたころがあった。

いつか読んだ、思春期を説明した文章の中に、

「成人して、だんだん大人になるうち、自分に対して諦めがついて、身体的なコンプレックスにそこまで思い悩まなくなる」という意味のことが書かれてあった。

そういうもんなんだ、と素直に受け取って疑わなかったけど、いま考えると、

「さまざまな経験を通して、それまで抱えていた問題が小さく思えたり、もっと大きな悩みを前にその重要度が下がったり、視野が広くなって美的感覚に幅が出来たりで、まあなんにせよ『こうでなければイヤだ』と頑なに思いつめなくなる」

っていうほうが現実に沿った説明だ。(少なくとも私にとって)