朝の電車の中で、若いサラリーマンの後ろに立った。
ふと見ると、履いているスラックスの腰のベルトひもに紙がぶら下がっている。
クリーニングに出した服に付いてくるやつだー!とすぐわかった。
輪っかになっている、あの細長い紙。
つい外すのを忘れて履いてきちゃったんだな~。とほっこりした。
目立つのに見落とすときは見落とすよね、と共感もした。
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会社で午後にトイレに行ったとき、何気なく胸元に視線を落として愕然とした。
「ご、ごはんつぶが付いてる…」
うわー。みっともない。
いつからついてたんだろう。
お昼のときは人と一緒で気を張ってて、食べ方に気をつけている。
たぶん朝ごはんのとき、テレビに夢中になって付けたんだな。
(二つぶ、寄り添うように付いていた。ハートっぽかった)
人のうっかりにはほっこりするのに、自分のうっかりは凄まじく恥ずかしい。
「何人かは気づいたかもしれないけど、まあ、ほっこりしてくれたさ」
と無理矢理思おうとする。
だけど、微笑ましく思われるためには、全体的にふだんからちゃんとしてることだ。
人様から「あら?」と二度見されるような言動はあくまでアクシデント。習慣になってしまったら、「年甲斐もなく…」と言われてしまう。
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私のもっともありえないうっかりは、学生時代に電車で人のカバンを持って降りそうになったこと。
私のものと同じようなマチの広い肩掛けカバンが足元のすぐそばに置いてあったのを持ち上げてしまった。
持ち主のお姉さんびっくりしてたけど、私もびっくりした。
ある友達は、電車が揺れてとっさに掴んだのが人の腕だった。
友達は自分のやったことが可笑しくて、謝りながらも笑いを堪えきれずにいたら、相手もかなり受けて笑ってくれたらしい。(いい人だ)
電車は他人同士の距離が近いから、日々いろんなことに気づくし、いろんなことが起こる。
毎晩「今日何があったかな」と振り返ると、一つや二つは電車の中のことが浮かんでくる。